接触皮膚炎とは
接触皮膚炎とは、刺激物質やアレルゲン(アレルギーの原因物質で抗原とも言います)が
皮膚に接触することで赤みやブツブツ(丘疹)、水ぶくれ(小水疱)などの湿疹が生じる病気です。
一般的には「かぶれ」といい、刺激性とアレルギー性に分かれます。
「光接触皮膚炎」といって、湿布薬など特定の薬剤を肌に塗布した状態で紫外線に当たることでかぶれが起きるものもあります。
刺激性接触皮膚炎 | アレルギー性接触皮膚炎 | |
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機序 |
アレルギー機序を介さない 皮膚を刺激する物質がバリア機能の低下した皮膚から侵入し、炎症を引き起こす蛋白が産生される |
アレルギー機序を介す 特定の抗原に感作が成立し、同抗原が再度皮膚に接触すると炎症を起こす |
起こる人 |
誰にでも起こりうる |
抗原にアレルギーのある人にだけ起こる |
原因 |
毛虫や昆虫の毒 |
原因物質は人それぞれ |
江坂駅前花ふさ皮ふ科では、皮膚科専門医がかぶれ・接触皮膚炎の有無を診断し、適切な治療方法をご提案致します。 お悩みの方はお気軽にご来院ください
症状
原因物質に接触した部分とそうでない部分で、はっきりと皮膚炎の境界が分かるのが特徴で、湿布を貼った場所が湿布の形そのままで四角く赤くなったりします。
検査、治療
起きている皮膚炎・湿疹の治療をするとともに、原因物質を正確に特定し接触を避けることが、根本的な治療につながるので最も大切です。
薬物療法
接触皮膚炎の症状に対しては、ステロイド外用薬などの塗り薬や、かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬・抗アレルギー剤を処方します。
問診
原因物質を特定するため、症状の出現時期や経過、過去にかぶれた経験などを詳細にお聞きし、原因物質を特定していきます。症状の出ている部位や経過から、原因物質がある程度特定できる場合もありますが、繰り返し起こる原因不明の皮膚炎は日常で何気なく使用しているものが原因であることもあります。発症時期、発症部位、生活環境、趣味や仕事、使っている化粧品、家事で使う洗剤、お薬の内服歴などを詳しくお聞きすることがあります。
パッチテスト
パッチテストは、接触皮膚炎や薬疹、金属アレルギーなどの遅延型アレルギーの原因物質を確定するための検査です。原因と考えられる製品や化学物質を背中(もしくは腕)に貼付し、その部分の皮膚の反応を確認します。
検査費用・薬剤代金として、診察料に加え別途3割負担の場合、5,800円程度の費用が発生します。
(パッチテスト)方法
当院では、パッチテストパネル®(S)の試薬を取り扱っています。この試薬では、下記の項目を調べることができます。
パッチテストパネル®(S)で検査できる物質
-
金属
ニッケル
クロム
金
コバルト -
樹脂
ロジン(精製松脂)
ペルーバルサム
p-tert-ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂
エポキシ樹脂 -
ゴム・硬化剤
カルバミックス
メルカプベンゾチアゾール
メルカプトミックス
チウラムミックス -
防腐剤
パラベンミックス
ホルムアルデヒド
チメロサール
イソチアゾリノンミックス -
その他
ラノリンアルコール(油脂)
フラジオマイシン(医薬品)
カインミックス(医薬品)
香料ミックス(香料)
パラフェニレンジアミン(染料)
黒色ゴムミックス(ゴム老化防止剤)
(パッチテスト)スケジュール
当院でパッチテストを行う場合、以下の2つの通院プランがあります。
プラン1
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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1週目 | 貼付 |
判定❶(はがす) |
判定❷ |
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2週目 | 判定❸ |
プラン2
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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1週目 | 貼付 |
||||||
2週目 | 判定❶(はがす) |
判定❷ |
判定❸ |
(パッチテスト)副作用
パッチテストの際に使用するテープでかぶれる可能性があります。
陽性反応が強く出た場合、湿疹反応に伴う痒みや赤み、腫れ、ときに水疱が生じることがあります。また、その後にカサブタや色素沈着が残ることがあります。
非常にまれですが、この検査によって感作される(貼付した物質に対し、かぶれる体質になってしまう)ことがあります。
(パッチテスト)注意点
貼付日から1回目の判定が終わるまで、入浴をすることができません。貼付日の当日に入浴をしてから来院いただくことをお勧めします。
貼付部が水や汗で濡れてしまうと、正確な検査ができなくなったり、テープがはがれてしまったりするので、汗をかくような運動は控えて下さい。
この検査を行っても、偽陰性(本来は陽性のはずなのに、陰性の結果が出てしまうこと)の可能性もあるため、原因物質が特定できないこともあります。
検査の結果と症状や経過などを総合的にみて、原因物質の特定をします。
持参の化粧品類や特殊な試薬や成分のパッチテストをご希望の方は、近隣の総合病院や大学病院へご紹介させていただきます。
注意点
接触皮膚炎の原因物質が特定できたら、その物質を含むものとの接触を避ける必要があります。生活上の注意点もお伝えしますので、接触皮膚炎を繰り返さないようにしましょう。