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尋常性白斑

尋常性白斑

尋常性白斑とは

尋常性白斑は、皮膚の色が部分的に抜けて白くなってしまう病気です。

皮膚の基底層という部分にあるメラノサイト(色素細胞)は、紫外線から皮膚を守るためにメラニン色素を産生しますが、何らかの原因でこのメラノサイトが減少・消失することで皮膚の色が抜けてしまいます。

白斑の分布や経過によって、大きく3つに分類されます。

  • 汎発型

    汎発型

    全身の色んな部位に発症する。特に、皮脂が多く出る部分や手足の外からの刺激が加わりやすい部分、腰、腹など擦れやすいところなどに現れる。

  • 分節型

    分節型

    神経の走行に沿って身体の片側のみに白斑が出現。顔や首にできやすく、 数か月~半年の間に一気に現れる。

  • 限局型(未分類型)

    限局型(未分類型)

    限局性に1カ所だけに白斑を生じる。

尋常性白斑は、治療を開始しても病気の進行を完全に止めたり、白くなった皮膚を元に戻したりすることが困難な難病です。
江坂駅前花ふさ皮ふ科では、皮膚科専門医が尋常性白斑・白なまずの治療を行っております。 お気軽にご相談下さい。


原因

尋常性白斑の原因はまだ解明されていません。白斑部の皮膚では、自分の免疫細胞の一部が色素を作る細胞を攻撃している像が見られ、何らかの局所的な免疫の異常が疑われています。自己免疫の異常、自律神経バランスの異常、遺伝、酸化ストレスなどの説があります。

皮膚の一部が白くなる原因として、他にも以下のような病気が考えられます。尋常性白斑と見分けるために必要に応じて検査を行います。

  • 感染症
    細菌・ウイルス・真菌感染症により白斑が出ることもあります。真菌では癜風が代表疾患で、脂漏部位に好発します。梅毒やHIV、ハンセン病などでも白斑がみられることがあります。
  • 炎症後白斑
    湿疹や日焼け、ケガなどにより皮膚が強いダメージを受け、メラノサイトの機能が一時的に低下することで、湿疹やケガが治った後にも色ムラが残ってしまうことがあります。尋常性白斑と比べると、境界がぼやけて見えます。保湿などのスキンケアで徐々に改善します。
  • 白色(単純性)粃糠疹
    一般的に“はたけ”と呼ばれるものです。子供の顔に多くみられます。自然に改善します。
  • 老人性白斑
    5ミリくらいの小さい白斑がパラパラと出現します。老化によるメラノサイトの減少が原因で起こります。治療は必要ありません。

治療

まれに甲状腺の病気や糖尿病、自己免疫性疾患などの他の病気を合併することがあるので、必要に応じて血液検査を行い、内科へご紹介させていただくこともあります。

薬物療法

  • ステロイド外用薬

    白斑の外用治療として最も多く使われています。免疫の異常や炎症を改善します。長期的に使用すると、皮膚萎縮や血管拡張などの副作用が出ることがあるので注意が必要です。また、汎発型ではステロイドの外用の効果が低く、光線治療が第一選択となります。

  • タクロリムス軟膏(健康保険適応外)

    海外でも高い治療効果があるとされています。しかし、長期に使用した場合の安全性は不明であり、3~4か月をめどに効果判定を行うことが推奨されています。

  • 活性型ビタミンD3外用薬(健康保険適応外)

    単独では効果が弱く、光線療法との併用が推奨されています。

光線(紫外線)療法(3割負担で1回約1,000円)

紫外線療法は、尋常性乾癬の治療として使われていましたが、1990年代から尋常性白斑の治療にも取り入れられるようになりました。尋常性乾癬と同様、長波長紫外線(UVA)と中波長紫外線(UVB)が用いられます。
UVBに含まれる有害な波長を取り除いて、治療効果の高い波長だけを照射することができるのが、「ナローバンドUVB療法」と「ターゲット型エキシマライト」です。効果を上げるためには、週1~2回以上通院する必要があります。当院でも「ターゲット型エキシマライト」の治療が可能です。
光に対する感受性を高めるお薬を飲んだり塗ったりしてからUVAを照射する「PUVA療法」も、尋常性白斑に効果があるとされていますが、ナローバンドUVB療法の方が効果は高いという報告があります。

植皮・外科手術

白斑部分に自分の体の正常な皮膚の一部を移植します。白斑の拡大が止まり、状態が変わらなくなった尋常性白斑に対して行われます。分層植皮術、吸引水疱表皮植皮術、1ミリミニグラフトなどの方法があります。この治療を検討する場合は、総合病院や大学病院へご紹介致します。

カモフラージュメイク

根本的な治療法ではありませんが、顔や首、手の甲などの露出部の白斑をカバーするために、白斑専用の化粧品を用いて目立たなくさせます。こちらは保険適応ではありません。

文責:江坂駅前花ふさ皮ふ科院長 大村 玲奈(日本皮膚科学会皮膚科専門医)

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