監修者:花房 崇明

監修医師

理事長:花房 崇明(はなふさ たかあき)

[ 資 格 ]

・医学博士(大阪大学大学院) / 日本皮膚科学会皮膚科専門医

・日本アレルギー学会アレルギー専門医 / 日本抗加齢医学会専門医

[ 所属学会 ]

・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会 / 日本美容皮膚科学会 等

「ミラドライは夏前に受けるもの」と思われがちですが、実は受ける時期に医学的な決まりはありません。ただ、ダウンタイムの過ごしやすさ、効果を評価するタイミング、医療費控除の申告年という3つの観点で、時期ごとに向き・不向きがあります。

この記事では、秋冬に受ける場合と春夏に受ける場合のメリットをそれぞれ整理し、ご自身の生活に合わせた選び方を、皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)・ミラドライ認定医の花房崇明が解説します。

結論:時期で効果は変わらない。変わるのは「過ごしやすさ」と「評価のタイミング」

ミラドライはマイクロ波でワキの汗腺に熱を加える治療で、季節によって効果の出方が変わるものではありません。選ぶ基準は次の3つです。

観点秋冬(10〜2月頃)春夏(3〜8月頃)
ダウンタイムの過ごしやすさ長袖で腫れ・内出血が隠しやすい。汗が少なく、術後の蒸れ・不快感が軽いことが多い半袖・ノースリーブの時期と重なり、腫れが気になりやすい
効果を実感・評価する時期腫れやしびれが落ち着く1〜3か月後が春〜初夏。汗が増える季節に評価できる施術時期が汗の多い季節と重なるため、変化を実感しやすい(個人差あり)
2回目を検討する余裕評価のあと、夏本番の前に2回目を相談できる2回目は半年後の秋以降になることが多い
予約の取りやすさ比較的取りやすい傾向初夏は予約が集中しやすい
医療費控除年内に支払えばその年の申告対象になり得る(医師判断・美容目的は除外)同じ(支払った年で判定)

※効果の程度・持続、ダウンタイムの長さには個人差があります。

秋冬にミラドライを受ける3つのメリット

1. 長袖でダウンタイムを隠しやすい

ミラドライの施術後は、腫れ・むくみ・痛み・内出血が出ることがあります。ダウンタイムの解説記事で詳しく書いているとおり、腫れや痛みのピークは術後2〜7日程度で、多くの方は1〜2週間で日常生活に支障のないレベルまで落ち着きます。しびれや硬さ(しこり感)は数週間〜数か月かけてゆっくり改善することがあります。

この期間が長袖の季節と重なると、見た目の変化を人に気づかれにくく、冷却や圧迫などのケアも衣類の下で行いやすくなります。また、汗の少ない時期は術後の蒸れや不快感が軽いと感じる方が多い印象です。

2. 腫れが落ち着いた頃に、汗の季節を迎えられる

術後しばらくは腫れやしびれがあるため、「汗がどれくらい減ったか」を正確に判断しにくい時期が続きます。当院の経験上、おおむね1〜3か月を目安に腫れやしびれが落ち着き、評価しやすくなる方が多い印象です(個人差があります)。

11〜12月に施術を受けると、その評価時期がちょうど春から初夏にあたります。汗が気になり始める季節に効果を確かめられるうえ、もし追加の照射が望ましいと判断された場合も、夏本番の前に相談する時間があります。効果と回数の解説記事にあるとおり、当院では原則1回での完了を目指していますが、症状の程度や汗腺の深さによって1回で十分なケースと2回目が望ましいケースがあります。

3. 年内に支払えば、その年の医療費控除の対象になり得る

原発性腋窩多汗症の治療を目的として医師が必要と判断した施術は、医療費控除の対象になり得ます(美容目的の場合は対象外)。医療費控除は「その年の1月1日〜12月31日に支払った医療費」で計算するため、年内に施術と支払いを済ませれば、翌年の確定申告で申告できます。

計算方法や必要書類は医療費控除・保険適用の解説記事にまとめています。最終的な可否は所轄の税務署にご確認ください。

春夏にミラドライを受けるメリット

秋冬が「隠しやすい・評価しやすい」時期なら、春夏は「実感しやすい」時期です。

  • 変化をすぐに感じやすい: 汗の多い季節に施術を受けるため、術後の汗の減り方を日常の中で実感しやすくなります。
  • 「今年の夏をなんとかしたい」に応えられる: 熱による汗腺への作用は施術時に生じますが、腫れの影響で汗の変化を実感できる時期には個人差があります。夏の途中からでも受けること自体は可能です。ただし腫れや痛みのピーク期は半袖の季節と重なるため、予定(旅行・行事)の直前は避けるのが無難です。
  • 注意点: 初夏は予約が集中しやすく、希望日に取れないことがあります。また、2回目を検討する場合は半年後、つまり秋以降になることが多くなります。

どの時期でも共通して確認しておきたいこと

  • 施術前後の予定: 術後1週間程度は腫れ・痛みが出る前提で、運動・入浴・サウナ・飲酒は控えめに。解禁時期は診察時にご案内します。
  • 衣類: 施術後はワキを締めつけない、ゆったりした服でお越しください。
  • 剃毛: 施術前日までにワキ毛を処理してください(剃り残しがある場合は剃毛料がかかります)。
  • 持病・妊娠: 妊娠中の方、心臓ペースメーカーなどの医療機器を使用中の方は受けられない場合があります。カウンセリングでお伝えください。

当院のミラドライについて(自由診療)

江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科と千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科で、同じ機器・同じ料金で受けられます(みのお花ふさ皮ふ科では取り扱いがありません)。

項目内容
費用(税込・両わき・局所麻酔込み)2026年10月現在(料金は変更となる場合があります。最新はミラドライ治療ページ参照)。平日 178,000円/土曜 242,000円。2回目(再照射)も同額。別途、初回カウンセリング料1,100円、剃り残しがある場合のみ剃毛料5,500円
施術時間両ワキ約60分(局所麻酔を含む)
主なリスク・副作用腫れ・むくみ・痛み・内出血・赤み・水疱・しびれ・治療部位の硬さなど。多くは数週間で落ち着きますが個人差があります
承認状況ミラドライ(miraDryシステム)は重度の原発性腋窩多汗症(ワキ汗)に対して国内で薬事承認を取得した医療機器です(承認番号 23000BZX00161000)。わきが(腋臭症)への使用は承認適応外となります
効果効果の程度・持続には個人差があり、追加照射が必要になることがあります

詳しい流れはミラドライ治療ページをご覧ください。

よくある質問

Q. 秋冬に受けると、夏までに効果はなくなりませんか?
A. ミラドライは汗腺に熱を加えて機能を失わせる治療で、汗腺は再生しにくいため、効果は長期に持続することが海外の臨床研究で報告されています(参考文献参照)。ただし持続の程度には個人差があり、追加照射が必要になる場合があります。

Q. 冬は乾燥していますが、施術に影響しますか?
A. 施術そのものへの影響は通常ありません。術後は保湿を含めた通常のスキンケアで差し支えありませんが、強くこすったりマッサージしたりするのは避けてください。

Q. 夏の直前(6月)に受けても間に合いますか?
A. 受けること自体は可能です。熱による汗腺への作用は施術時に生じますが、腫れの影響で変化を実感できる時期には個人差があります。術後1〜2週間は腫れ・痛みが出る前提で予定を組んでください。旅行や行事の直前は避けることをおすすめします。

まとめ

  • ミラドライの効果は季節で変わらない。選ぶ基準は「ダウンタイムの過ごしやすさ」「評価のタイミング」「医療費控除の申告年」
  • 秋冬は長袖で隠しやすく、腫れが落ち着いた頃に汗の季節を迎えられる。年内支払いならその年の医療費控除の対象になり得る
  • 春夏は変化を実感しやすい。予約の集中と、腫れの時期が半袖と重なる点に注意
  • どの時期でも、術後1週間程度の予定調整と剃毛の準備は共通

時期で迷われている方は、カウンセリングで生活の予定に合わせてご提案します。

江坂駅前花ふさ皮ふ科・美容皮膚科 ミラドライのカウンセリングを予約する(自由診療)


参考文献

  • Hong HC, Lupin M, O’Shaughnessy KF. Clinical evaluation of a microwave device for treating axillary hyperhidrosis. Dermatol Surg. 2012;38(5):728-735. PMID 22452511
  • Glaser DA, Coleman WP, Fan LK, et al. A randomized, blinded clinical evaluation of a novel microwave device for treating axillary hyperhidrosis. Dermatol Surg. 2012;38(2):185-191. PMID 22289389
  • Lupin M, Hong HC, O’Shaughnessy KF. Long-term efficacy and quality of life assessment for treatment of axillary hyperhidrosis with a microwave device. Dermatol Surg. 2014;40(7):805-807. PMID 24927005
  • miraDryシステム 医療機器承認番号 23000BZX00161000(2018年6月4日承認・株式会社ジェイメック)。承認上の使用目的は重度の原発性腋窩多汗症の治療(PMDA 審議結果報告書)

監修: 花房崇明(医療法人佑諒会 理事長・皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)・アレルギー専門医・医学博士・ミラドライ認定医)