乾癬(かんせん)は、赤く盛り上がった発疹(紅斑)に銀白色のフケ状の角質(鱗屑=りんせつ)が付着する慢性の皮膚疾患です。ひじやひざだけでなく、頭皮・爪・顔にも現れることがあり、それぞれ見え方やケアの工夫が異なります。また、乾癬は感染症ではなく、人にはうつりません。保険診療で治療を受けることができ、花ふさ皮ふ科グループ3院(江坂・千里中央・みのお)で対応しています。
この記事では、頭皮・爪・顔それぞれの乾癬の特徴と、他の皮膚疾患との見分け方、日常のケア方法をまとめました。「フケがひどいのかと思ったら実は乾癬だった」「爪が変形してきた」「顔の赤みがなかなか取れない」など、気になる症状がある方の参考になれば幸いです。
こんなお悩みはありませんか?
- ✓頭皮のフケや赤みがシャンプーしても改善しない
- ✓爪がでこぼこに変形して恥ずかしい
- ✓顔の乾癬にステロイドを使っていいか不安
- ✓かゆみがつらくて掻いてしまう
頭皮の乾癬|フケ症・脂漏性皮膚炎との違いと正しいシャンプーの方法
頭皮の乾癬とはどんな状態か
頭皮の乾癬は、乾癬患者さんの半数以上に認められるとも言われる好発部位です。生え際から後頭部、耳の周囲にかけて赤く盛り上がった病変に厚い白〜銀白色の鱗屑(りんせつ)が重なり、バラバラとはがれ落ちます。「大量のフケが出る」と感じて受診される方が多く、強いかゆみを伴うこともあります。
髪の毛で覆われているため、鏡で自分で確認しにくく、また毛髪があることで外用薬が塗りにくいという特徴もあります。
フケ症・脂漏性皮膚炎との見分け方
頭皮のフケといえば「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」を思い浮かべる方も多いと思います。2つの見分けポイントを整理します。
- フケの性状:脂漏性皮膚炎のフケは黄色みがかってやや脂っぽいことが多い。乾癬の鱗屑は白〜銀白色で厚く、まとまってはがれやすい
- 病変の境界:乾癬は病変の縁がはっきりしている(境界明瞭)。脂漏性皮膚炎はやや境界がぼんやりしていることが多い
- 他の部位:乾癬では頭皮以外にもひじ・ひざ・腰まわりなどに同様の発疹が見られることが多い
- 爪の変化:乾癬では爪に点状の凹み(点状陥凹)や肥厚が見られることがある
ただし、視診だけでは区別が難しいケースもあり、自己判断には限界があります。「乾癬 頭皮」の症状が疑われる場合は、皮膚科専門医による診断を受けることが大切です。
頭皮乾癬のシャンプーと日常ケアの工夫
頭皮の乾癬では、日常のシャンプー方法を工夫することで、症状の悪化を抑えやすくなります。
- 洗い方:爪を立てて強くこすらず、指の腹で優しくマッサージするように洗う。摩擦(コエブネル現象)が乾癬を悪化させることがあるため
- シャンプーの選び方:「乾癬 頭皮 シャンプー」で検索すると様々な製品が出てきますが、刺激の少ないものを選び、界面活性剤の強い製品や香料が多いものは避けるとよいでしょう。ただしシャンプーだけで乾癬を治すことはできません
- すすぎ:シャンプーやコンディショナーの残留は頭皮の刺激になるため、しっかりすすぐ
- ドライヤー:高温の熱風を頭皮に近づけすぎない。自然乾燥で放置して濡れた状態が続くのも雑菌繁殖につながるため適度に乾かす
頭皮乾癬の治療の工夫(外用薬・エキシマライト)
頭皮への外用薬は、クリームや軟膏よりもローションタイプやフォームタイプが使いやすく、髪の毛をかき分けながら直接患部に塗布しやすいです。ステロイド外用薬や活性型ビタミンD3外用薬、またはこれらの配合剤がよく用いられます。
また、外用薬だけでは改善しにくい頭皮の病変には、エキシマライト(308nm)による局所紫外線療法が有効な選択肢です。病変部にピンポイントで紫外線を照射し、免疫の異常(炎症)を鎮めます。週1回程度の通院が目安で、頭皮の難治部位にも適しています。花ふさ皮ふ科グループでは、エキシマライトによる局所紫外線療法を提供しています。
爪の乾癬|爪水虫との違いと関節炎のサイン
爪の乾癬とはどんな状態か
乾癬は皮膚だけでなく爪にも症状が現れることがあります。乾癬患者さんの約50〜80%に爪の変化が見られると報告されており、「乾癬 爪」の症状は見逃されやすい特徴の一つです。主な症状を以下に整理します。
- 点状陥凹(てんじょうかんおう):爪の表面に針で刺したような小さなくぼみ(ピッティング)が多発する。乾癬に特徴的な所見
- 爪の肥厚・変形:爪が厚くなったり、でこぼこになったりする
- 爪甲剥離(そうこうはくり):爪が爪床(つめどこ)から浮いてはがれてくる。爪の先端が白く浮いて見える
- 変色:爪の下に黄〜茶色っぽい変色(油滴様変化)が見られることがある
- 爪下過角化:爪の下に角質が厚くたまる
爪水虫(爪白癬)との見分け方
爪の肥厚・変色・はがれは爪白癬(つめはくせん)、いわゆる爪水虫でも起こるため、見た目だけでは区別が難しいことがあります。重要な鑑別ポイントをまとめます。
- 点状陥凹(ピッティング):爪水虫ではあまり見られない。乾癬に比較的特徴的
- 皮膚の症状の有無:乾癬では他の部位(ひじ・ひざ・頭皮など)に典型的な皮疹を伴うことが多い。足の水虫(足白癬)を伴っている場合は爪白癬の可能性が高い
- 真菌検査:爪白癬は顕微鏡や培養検査で白癬菌(カビ)が確認できる。乾癬では陰性。この検査で初めて確定診断ができるため、皮膚科での検査が欠かせません
爪白癬と乾癬では治療方針がまったく異なります。「爪が変になってきた」と感じたら、自己判断で市販の水虫薬を使い続けるのではなく、皮膚科を受診して正確な診断を受けることをお勧めします。
爪の乾癬と関節炎の関係
爪の乾癬がある方は、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)を合併するリスクが高いとされています。関節の痛み・腫れ・こわばりがある場合は、放置すると関節の破壊につながる可能性があるため、早めに皮膚科や関係する診療科への相談が重要です。「指の付け根が腫れて痛む」「朝に手足のこわばりがある」などの症状が気になる方は、受診時に必ず医師に伝えてください。
爪の乾癬自体の治療は外用薬が中心となりますが、効果が出にくい場合は内服薬や生物学的製剤が選択肢となります。生物学的製剤(注射薬)については、当グループでは千里中央花ふさ皮ふ科で対応しています。江坂院・みのお院では必要に応じて総合病院・大学病院へご紹介します。
顔の乾癬|デリケートな部位のステロイド選択と刺激対策
顔の乾癬とはどんな状態か
「乾癬 顔」は、露出部であるため外見への影響が大きく、患者さんにとって精神的なストレスになりやすい部位です。額の生え際・眉毛の周囲・鼻の横(鼻唇溝)・耳の周囲などに赤みと鱗屑が現れることが多く、顔全体に広がることもあります。
顔の皮膚は他の部位に比べて薄くデリケートなため、治療にあたっては特別な配慮が必要です。
脂漏性皮膚炎・接触皮膚炎との見分け方
- 脂漏性皮膚炎:鼻の横や眉毛など皮脂分泌が多い部位に多く、黄色みがかったベタついたフケが特徴。乾癬との合併例もあり、「脂漏性乾癬」と呼ばれることもある
- 接触皮膚炎(かぶれ):特定のコスメや金属との接触後に発症することが多く、境界が接触部位に一致する。乾癬は繰り返す慢性経過が特徴
- 酒さ(ロザセア):ほおや鼻周囲の慢性的な赤みだが、鱗屑(りんせつ)は乾癬ほど厚くならないことが多い
これらの疾患は見た目が似ている場合があり、自己判断では難しいことが少なくありません。顔の赤みや皮むけが続くときは、皮膚科専門医の診断を受けることが大切です。
顔の乾癬のケアと治療の工夫
顔の乾癬の治療でポイントになるのがステロイド外用薬の強さの選択です。顔は皮膚が薄いためステロイドが吸収されやすく、長期使用で皮膚萎縮・毛細血管拡張・ニキビ様皮疹などの副作用が生じやすいため、一般的にはランクを下げたマイルドなステロイドや、活性型ビタミンD3外用薬、タクロリムス(非ステロイド系抗炎症外用薬)を使用する場合があります。使用する薬剤・期間・量は必ず主治医の指示に従ってください。
日常ケアのポイントは以下のとおりです。
- 洗顔:こすり洗いは避け、泡立てた洗顔料で優しく洗い流す。乾癬はコエブネル現象(摩擦や傷が新たな病変を誘発する現象)が起きることがあるため、摩擦を最小限に
- 保湿:乾燥は乾癬を悪化させる因子の一つ。刺激の少ない保湿剤(ヒルロイド、ワセリン系など)でこまめな保湿を心がける
- 紫外線対策:顔の乾癬では、紫外線が症状を改善させる場合もある一方、日焼けによる炎症が悪化につながることも。主治医に相談の上、日焼け止めの使用可否を確認する
- コスメ・化粧品:香料や防腐剤が多い製品は刺激になることがある。低刺激・敏感肌向け製品を選ぶ
- 髭剃り:カミソリの刺激でコエブネル現象が起きることがある。電動シェーバーに変えるなどの工夫も一案
乾癬のかゆみ対策|掻かないためにできること
「乾癬 かゆみ」は多くの患者さんを悩ませる症状です。かゆいからといって強く掻くと、コエブネル現象によって新たな病変が生じたり、既存の病変が悪化したりするため、できるだけ掻破(そうは)を避けることが重要です。
かゆみを和らげる日常の工夫
- 保湿の徹底:乾燥はかゆみを増強します。入浴後はすぐに保湿剤を塗る習慣をつけましょう
- 入浴時の注意:熱すぎるお湯(42℃以上)は皮膚のバリアを傷めかゆみを悪化させることがあります。38〜40℃程度のぬるめのお湯が目安
- 衣類・寝具:ウールなど刺激の強い素材より、綿など肌に優しい素材を選ぶ
- ストレス管理:ストレスは乾癬の悪化因子の一つ。睡眠をしっかり取る、無理のない範囲でリフレッシュを心がける
- 抗ヒスタミン薬:かゆみが強い場合、医師の判断で抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を補助的に処方することがあります
部位が違っても治療の基本は同じ|診断→外用・内服・光線療法の段階的アプローチ
頭皮・爪・顔と部位が異なっていても、乾癬の治療の基本的な流れは共通しています。
- 外用薬(第一選択):ステロイド外用薬・活性型ビタミンD3外用薬・配合剤。部位に応じてローション・フォーム・クリームなど剤形を使い分ける
- エキシマライト(局所紫外線療法):外用薬で残る病変や、頭皮など塗りにくい部位に有効。週1回程度の通院が目安。日焼け様の赤みが出ることがある
- 内服薬:中等症以上や外用薬・光線療法で効果が不十分な場合に検討。オテズラ®(アプレミラスト)・シクロスポリン・チガソン®(エトレチナート)などがある。それぞれ副作用・注意事項があるため、医師の指示のもと使用
- 生物学的製剤:中等症〜重症や関節症性乾癬に高い効果が期待されています。感染症リスク管理のための定期検査が必要で、高額になる場合があります(高額療養費制度の対象になりえます)。当グループでは千里中央花ふさ皮ふ科で対応しており、江坂院・みのお院では必要に応じて連携・紹介しています
効果・経過には個人差があります。乾癬は現在の医療では「完治」より症状を抑えてきれいな状態を保つ(寛解を維持する)ことを目標にする慢性疾患です。自己判断でケアを続けるより、皮膚科専門医に相談しながら継続的に治療を受けることが、症状のコントロールにつながります。
乾癬の治療は保険診療で対応しています
花ふさ皮ふ科グループ3院でご予約いただけます
一般皮膚科の保険診療予約システム(ドクターキューブ)です
よくある質問(FAQ)
Q. 頭皮の乾癬とフケ(脂漏性皮膚炎)はどう見分けますか?
乾癬の鱗屑は白〜銀白色で厚くまとまってはがれやすく、病変の境界がはっきりしています。脂漏性皮膚炎のフケは黄色みがかってやや脂っぽいことが多く、病変の境界はやや不明瞭です。また、乾癬ではひじ・ひざ・腰などに同様の発疹が見られることが多く、爪の変化を伴うこともあります。ただし自己判断には限界があるため、皮膚科専門医の診断を受けることをお勧めします。
Q. 爪だけに症状があっても乾癬の可能性がありますか?
あります。乾癬は爪だけに症状が出ることもあります。爪の点状陥凹(ピッティング)は乾癬に比較的特徴的な所見ですが、爪水虫(爪白癬)との見分けが必要なため、皮膚科での真菌検査を含めた診察を受けてください。また、爪の乾癬は関節症性乾癬(関節炎を伴う乾癬)の合併リスクと関連することがあります。
Q. 顔の乾癬にはどのような外用薬を使いますか?
顔は皮膚が薄くデリケートなため、体幹や四肢と比べてステロイドのランクを調整することが一般的です。活性型ビタミンD3外用薬や非ステロイド系抗炎症外用薬(タクロリムスなど)を組み合わせることもあります。具体的な薬剤・使用方法は主治医に相談の上、指示に従ってください。自己判断でのステロイドの長期使用は副作用のリスクがあります。
Q. 乾癬の頭皮にシャンプーの工夫だけで対処できますか?
シャンプー方法の工夫(爪を立てず指の腹で優しく洗う・刺激の少ない製品を選ぶ・しっかりすすぐなど)は症状の悪化予防に役立ちます。ただし、シャンプーだけで乾癬の症状を治すことはできません。外用薬(ローション・フォームタイプ)やエキシマライト(局所紫外線療法)などの医療的な治療と組み合わせることが大切です。
Q. 乾癬のかゆみはどうすれば和らぎますか?
保湿剤でこまめに保湿する、熱すぎるお湯を避ける、綿素材の衣類を選ぶ、ストレスをためすぎないなどの日常的なケアが有効です。かゆみが強い場合は、医師の判断で抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬が補助的に処方されることがあります。かゆくても強く掻くとコエブネル現象で病変が広がる可能性があるため、できるだけ掻かないようにすることが重要です。
Q. 乾癬は人にうつりますか?
乾癬は感染症ではなく、人にはうつりません。遺伝的な素因に生活習慣・ストレス・感染(風邪・扁桃炎など)・肥満・喫煙・飲酒などの環境因子が組み合わさって発症すると考えられており、触れたり同じ空間にいたりしても他の人に伝染することはありません。
江坂駅前花ふさ皮ふ科にご相談ください
「頭皮のフケがひどくて乾癬かもしれない」「爪がおかしくなってきた」「顔の赤みが長く続いている」など、乾癬が疑われる症状でお悩みでしたら、ぜひ皮膚科専門医にご相談ください。部位によって見え方や治療の工夫が異なるため、正確な診断と部位に合った治療計画が大切です。
花ふさ皮ふ科グループ(江坂・千里中央・みのお)では、外用薬・エキシマライトによる局所紫外線療法・内服薬を組み合わせた保険診療を行っています。難治例や生物学的製剤が必要と判断された場合は、千里中央院または総合病院・大学病院と連携してサポートします。
効果・経過には個人差があります。慢性疾患である乾癬と長く上手に付き合っていくために、まずは一度受診してみてください。
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