監修者:花房 崇明

監修医師

理事長:花房 崇明(はなふさ たかあき)

[ 資 格 ]

・医学博士(大阪大学大学院) / 日本皮膚科学会皮膚科専門医

・日本アレルギー学会アレルギー専門医 / 日本抗加齢医学会専門医

[ 所属学会 ]

・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会 / 日本美容皮膚科学会 等

こんなお悩みはありませんか?

  • 関節が痛くて乾癬との関係が気になる
  • 朝に指やひざがこわばって動かしにくい
  • 皮膚科と整形外科どちらに行けばいいか迷っている
  • 放置すると関節が壊れてしまわないか心配

乾癬性関節炎とは?まず結論からお伝えします

乾癬性関節炎(かんせんせいかんせつえん)とは、皮膚の病気である乾癬(かんせん)に関節の痛み・腫れ・こわばりを伴う型のことをいいます。医学的には「関節症性乾癬」とも呼ばれます。

乾癬は免疫の異常によって皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が過剰に加速し、赤く盛り上がった発疹に銀白色のフケ状の角質が付着する慢性の皮膚疾患です。乾癬の方の一部(数%〜30%程度とされています)が、この乾癬性関節炎を発症するとされています。

特に注意が必要なのは、適切な治療を行わずに放置すると、関節の変形・破壊が進む場合があるという点です。「関節が少し痛いだけ」と軽く見ず、早期に専門医を受診することが大切です。また、乾癬は人にはうつりません。感染症ではないため、ご家族や周囲の方にうつる心配はありません。

乾癬性関節炎の治療は保険診療で対応しています。花ふさ皮ふ科グループ(江坂院・千里中央院・みのお院)では、皮膚科専門医のもとで乾癬性関節炎の診療を行っています。

乾癬の治療は保険診療で対応しています
花ふさ皮ふ科グループ3院でご予約いただけます

一般皮膚科の保険診療予約システム(ドクターキューブ)です

乾癬性関節炎の症状・発症のパターン

乾癬性関節炎は、皮膚症状(乾癬の発疹)と関節症状のどちらが先に現れるか、人によって異なります。おおまかに次の3つのパターンがあります。

  • 皮膚症状が先行するケース(最多):乾癬の診断から数年後に関節症状が現れる。
  • 皮膚症状と関節症状がほぼ同時に現れるケース
  • 関節症状が先行するケース:皮膚の発疹より先に関節の痛みが出るため、乾癬との関連に気づきにくい。

3つ目のケースでは、皮膚症状が目立たないために乾癬性関節炎だと気づかれず、診断が遅れることがあります。

特徴的な関節症状・体のサイン

乾癬性関節炎では、以下のような症状が見られます。気になるものがあれば医師にご相談ください(効果・症状には個人差があります)。

  • 朝のこわばり:起床時に関節が動かしにくく、しばらくしてからほぐれる感覚。
  • 指炎(しえん):指がソーセージのように腫れる:手指・足趾の1本まるごとがぷっくりと腫れる特徴的な所見。
  • 付着部炎(ふちゃくぶえん):腱や靭帯が骨につく部分(かかと・アキレス腱・足の裏など)に痛みや炎症が生じる。
  • 脊椎・仙腸関節の痛み:背骨や骨盤後方(お尻の中央部)に慢性的な痛みや動かしにくさが出ることがある。
  • 爪の変化:爪に点状のくぼみ(点状陥凹)、黄白色の変色、爪が剥がれるような変化が見られることがある。乾癬性関節炎との関連が指摘されています。
  • 非対称性の関節症状:関節リウマチは左右対称に出やすいのに対し、乾癬性関節炎は左右非対称に出やすい傾向があります(ただし対称性のタイプもあります)。

乾癬性関節炎は何科を受診すればよい?

「関節が痛いから整形外科かな」「皮膚症状があるから皮膚科かな」と迷う方は多いですが、乾癬性関節炎が疑われる場合はまず皮膚科を受診することをお勧めします。

その理由は、皮膚の乾癬と関節症状を一体のものとして把握し、総合的に治療方針を立てることが重要だからです。皮膚科での診察で乾癬の有無を確認しつつ、関節症状の程度に応じて整形外科やリウマチ科との連携が行われます。

また、乾癬性関節炎は関節リウマチと症状が似ているため、専門医による鑑別(見分け)が必要です。後述する診断の項目も参考にしてください。

乾癬性関節炎の診断について

確定診断には以下のような検査・評価が行われます。

  • 問診・身体診察:皮膚症状(乾癬の発疹・爪の変化)と関節症状を合わせて評価します。
  • 血液検査:炎症の指標(CRP・血沈など)を確認します。乾癬性関節炎では、関節リウマチで陽性になるリウマトイド因子(RF)が多くの場合陰性であることが鑑別のポイントになります。
  • 画像検査(X線・MRI・超音波など):関節の変化・骨びらん・腱の炎症などを画像で確認します。

自己判断での診断は難しいため、関節の痛み・腫れ・こわばりが続く場合は、早めに医療機関を受診されることをお勧めします。

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乾癬性関節炎の治療方法

乾癬性関節炎(乾癬 関節炎)の治療は、関節の炎症を抑えて関節破壊を防ぎ、日常生活の質を保つことを目標に行います。皮膚症状と関節症状の両方を考慮しながら治療方針を立てます。

内服薬による治療

関節症状が軽度〜中等度の場合、内服薬が治療の中心となることがあります。当グループで使用している主な薬剤は以下のとおりです。

  • オテズラ®(アプレミラスト):PDE4(ホスホジエステラーゼ4)を阻害する内服薬で、皮膚症状とともに関節症状にも効果が期待できます。1日2回の内服で、飲み始めに下痢・吐き気・頭痛などが生じやすいため、段階的に増量する漸増投与を行います。注射が不要で比較的モニタリング負担が少ない薬剤です。
  • シクロスポリン(免疫抑制剤):炎症を抑える作用が高い薬ですが、腎機能・血圧の定期的なモニタリングが必要で、長期連用には注意が必要です。
  • チガソン®(エトレチナート):角化を抑えるレチノイド(ビタミンA誘導体)です。催奇形性が強く、女性は内服中および中止後2年間は避妊が必要です。唇の乾燥・肝機能・血中脂質などの管理も必要な薬剤です。
  • NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬):痛みや炎症を和らげる補助的な薬として使用されることがあります。

生物学的製剤による治療(千里中央院)

関節症状が強い場合、または内服薬で十分にコントロールできない場合には、生物学的製剤(注射・点滴による治療)が選択肢になります。IL-17・IL-23・TNFなど炎症に関わる物質をピンポイントで抑える薬剤で、乾癬性関節炎の関節症状・皮膚症状の両方に高い効果が期待できます。

ただし、生物学的製剤は感染症リスクの管理のため定期的な検査が必要であり、費用も高額になります(高額療養費制度の対象になる場合があります)。効果・経過には個人差があります。

当グループでは、生物学的製剤による治療は千里中央花ふさ皮ふ科でのみ対応しています。江坂院・みのお院で診察を行い、生物学的製剤が必要と判断された場合は、千里中央院または総合病院・大学病院へご紹介いたします。

外用薬・局所療法(皮膚症状のある方)

皮膚の乾癬症状がある場合は、ステロイド外用薬や活性型ビタミンD3外用薬、またはその配合剤を用いた外用療法も並行して行います。また、特定の病変部にピンポイントで紫外線(308nm)を照射するエキシマライト(局所紫外線療法)も当グループ3院で対応しています。週1回程度の通院が目安で、日焼けのような赤みが出ることがあります。

乾癬は慢性疾患であり、現在の医療では「完治」より症状をコントロールして寛解(症状が落ち着いた状態)を維持することを目標とします。長くつき合っていく病気だからこそ、自分に合った治療を専門医と相談しながら続けることが大切です。

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日常生活で気をつけたいこと

乾癬性関節炎は薬による治療とともに、日常生活の見直しも症状の管理に大切な役割を果たします。

  • 体重管理:肥満は乾癬・乾癬性関節炎を悪化させる要因の一つです。適切な体重を保つことが症状のコントロールにつながります。
  • 適度な運動:関節に過度な負担をかけない範囲で、ウォーキングや水中運動など適度な有酸素運動を習慣にすることが、関節機能の維持に役立つ場合があります。激しい運動や関節への過負荷は避けましょう。
  • 禁煙・節酒:喫煙・過度の飲酒は乾癬を悪化させる環境因子として知られています。
  • ストレス管理:精神的なストレスも乾癬の増悪因子になりえます。十分な睡眠とリラクゼーションを心がけましょう。
  • 感染症の予防:風邪・扁桃炎・虫歯などの感染が乾癬を悪化させることがあります。うがい・手洗い・歯科の定期受診などを続けましょう。

乾癬は皮膚だけでなく全身の炎症性疾患であり、心血管疾患・メタボリックシンドローム・脂質異常症などを合併しやすいことが知られています。だからこそ、適切な治療と生活管理を続けることが全身の健康につながります。

よくある質問(FAQ)

Q. 乾癬性関節炎は何科を受診すればよいですか?

まず皮膚科への受診をお勧めします。皮膚の乾癬の有無を確認しながら関節症状を合わせて評価することが重要です。関節症状が強い場合や診断に専門的な検査が必要な場合は、整形外科やリウマチ科と連携して対応します。

Q. 皮膚の発疹がなくても乾癬性関節炎になることはありますか?

はい、あります。乾癬性関節炎の一部では、皮膚症状よりも関節症状が先に現れることがあります。皮膚の発疹がなくても、関節の痛み・腫れ・こわばりが続く場合は、乾癬性関節炎の可能性を念頭に置いて専門医を受診することをお勧めします。

Q. 乾癬性関節炎と関節リウマチはどう違うのですか?

どちらも関節に炎症が起きる疾患ですが、いくつかの違いがあります。乾癬性関節炎では乾癬の皮膚・爪の症状を伴うことが多く、指1本まるごとが腫れる「指炎」や、腱・靭帯の付け根に痛みが出る「付着部炎」が特徴的です。また、関節リウマチで多く見られる「リウマトイド因子(RF)」が、乾癬性関節炎では多くの場合陰性です。ただし自己診断は困難なため、専門医による鑑別診断が必要です。

Q. 乾癬性関節炎は放置するとどうなりますか?

適切な治療を行わないまま炎症が続くと、関節の変形・破壊が進む場合があります。一度破壊された関節は元に戻すことが難しいため、早期発見・早期治療が非常に重要です。「少し痛いだけだから」と放置せず、気になる症状があれば早めに受診してください。

Q. 乾癬性関節炎の治療で生物学的製剤を使いたい場合はどうすればよいですか?

当グループでは、生物学的製剤による治療は千里中央花ふさ皮ふ科で対応しています。江坂院・みのお院でも乾癬性関節炎の診察を行い、生物学的製剤が必要と判断された場合は千里中央院または総合病院・大学病院をご紹介いたします。まずはお近くの院にご相談ください。

Q. 乾癬性関節炎はうつりますか?

いいえ、うつりません。乾癬は感染症ではなく、免疫の異常に遺伝的素因や環境因子が重なって発症する疾患です。患者様と同じ空間にいても、触れても、乾癬性関節炎を含む乾癬がうつることはありません。

江坂駅前花ふさ皮ふ科にご相談ください

乾癬性関節炎(関節症性乾癬)は、関節の痛み・腫れ・こわばりを伴う慢性疾患です。「乾癬と診断されたが関節も痛い」「乾癬はないが関節の症状が続いている」など、気になる症状がある方は、ひとりで悩まず専門医へご相談ください。

花ふさ皮ふ科グループでは、理事長・花房崇明(皮膚科専門医)の監修のもと、乾癬性関節炎を含む乾癬の治療を保険診療で対応しています。江坂院・千里中央院・みのお院の3院で診察を承っており、必要に応じて整形外科・リウマチ科・総合病院との連携も行います。なお、生物学的製剤による治療を希望される方は千里中央花ふさ皮ふ科へのご相談をお勧めします。

乾癬は良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性の疾患ですが、適切な治療と生活管理によって症状をコントロールし、寛解を維持することを目指すことができます。効果・経過には個人差があります。まずはお気軽にご相談ください。

乾癬の治療は保険診療で対応しています
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