監修者:花房 崇明

監修医師

理事長:花房 崇明(はなふさ たかあき)

[ 資 格 ]

・医学博士(大阪大学大学院) / 日本皮膚科学会皮膚科専門医

・日本アレルギー学会アレルギー専門医 / 日本抗加齢医学会専門医

[ 所属学会 ]

・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会 / 日本美容皮膚科学会 等

こんなお悩みはありませんか?

  • 従来の外用薬・内服薬では症状がなかなか改善しない
  • 皮疹だけでなく関節の痛みや腫れも出てきた
  • 生物学的製剤(注射)が気になるが効果や安全性が不安
  • 費用が高そうで踏み出せない

生物学的製剤(バイオ製剤)とは何か?乾癬治療でどう使う?

乾癬(かんせん)は、免疫システムの過剰反応によって皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が通常の約10倍以上に加速し、赤く盛り上がった発疹(紅斑)に銀白色のフケ状の角質(鱗屑:りんせつ)が付着してはがれ落ちる、慢性の皮膚疾患です。人にはうつりません。遺伝的素因にストレス・肥満・喫煙・感染などの環境因子が重なり、IL-17・IL-23・TNFといったサイトカイン(炎症を促す信号物質)が過剰に働くことで発症すると考えられています。

生物学的製剤(バイオ製剤)とは、このような炎症に関わる特定の分子を標的とし、遺伝子工学で作られた高分子タンパク質の注射薬(一部は点滴)です。外用薬や従来の内服薬では十分なコントロールが難しい中等症〜重症の乾癬、あるいは関節の痛み・腫れを伴う関節症性乾癬(乾癬性関節炎)に対して、高い効果が期待できる治療選択肢です。

なお、乾癬は現在の医療では「完治」より「症状を抑えてきれいな状態を長く保つ(寛解を維持する)」ことを目標とします。生物学的製剤も治療を継続することで効果を維持する薬であり、効果・経過には個人差があります。

乾癬の治療は保険診療で対応しています
花ふさ皮ふ科グループ3院でご予約いただけます

一般皮膚科の保険診療予約システム(ドクターキューブ)です

生物学的製剤で期待できること・限界

期待できる効果

生物学的製剤は、IL-17・IL-23・TNFαといった炎症の起点となるサイトカインを高精度でブロックします。従来の治療と比べて次のような効果が期待されています(ただし効果・経過には個人差があります)。

  • 皮疹の大幅な改善:赤みや鱗屑(フケ状のかさぶた)が著しく改善し、皮膚がきれいな状態に近づくケースが多く報告されています
  • 関節症状の改善:乾癬性関節炎による関節の痛み・腫れ・こわばりにも効果が認められています。関節破壊の進行を抑える可能性も示されています
  • QOL(生活の質)の向上:皮疹が目立つ部位に出る乾癬は、外見への影響や痒み・痛みから日常生活・精神面に大きな負担をかけます。症状が落ち着くことで生活の質が改善することが期待されます

限界・注意しておきたいこと

  • 治療を中止すると症状が再燃しやすい:生物学的製剤は乾癬の根本原因(遺伝的素因)を取り除くものではなく、継続して使用することで症状をコントロールし続ける薬です
  • 全員に同じように効くわけではない:一定の割合で効果が十分でない方や、途中から効果が減弱するケースもあります。効果・経過には個人差があります
  • 適応の条件がある:外用薬・内服薬・紫外線療法などの既存治療で効果が不十分な中等症〜重症、または関節症状がある場合などが一般的な適応の目安です。担当医が総合的に判断します

生物学的製剤の注意点:感染症リスク・費用・定期検査

感染症リスクとスクリーニング

生物学的製剤は免疫の働きを調整する薬のため、感染症への抵抗力が低下することがあります。特に以下の点が重要です。

  • 結核の既往・潜在感染:治療前に胸部X線・ツベルクリン反応またはIGRA検査(インターフェロン-γ遊離試験)による結核スクリーニングが必須です
  • B型肝炎ウイルス(HBV):HBV感染の有無を事前に確認します。感染が判明した場合は専門医との連携が必要です
  • 治療中の感染リスク管理:発熱・咳・倦怠感などの感染症状が出た際は速やかに受診するよう指導を受けます

定期検査の必要性

生物学的製剤を使用中は、定期的な血液検査や診察が必要です。注射の前後に感染兆候がないかを確認しながら安全に治療を継続します。自己判断での中断・再開はせず、必ず担当医の指示に従ってください。

費用と高額療養費制度

生物学的製剤は保険適用ですが、薬剤費が高額になることが多く、月々の自己負担が大きくなる場合があります。ただし、高額療養費制度を利用することで、1か月の自己負担額を一定の上限(所得に応じた限度額)に抑えることができます。限度額は年齢・所得によって異なるため、担当医や医療機関の窓口、または加入している健康保険組合・自治体の窓口にご確認ください。

また、難病医療費助成制度(指定難病)の対象となる乾癬の病型(膿疱性乾癬など)では、別途助成が受けられる場合があります。詳しくは担当医にご相談ください。

花ふさ皮ふ科グループの乾癬治療体制と生物学的製剤の対応院

花ふさ皮ふ科グループ(江坂・千里中央・みのお)では、乾癬の重症度・病型・生活スタイルに応じた保険診療を提供しています。グループ全院で行っている治療は以下のとおりです。

  • 外用薬:ステロイド外用・活性型ビタミンD3外用・配合剤など(軽症〜中等症の標準治療)
  • 内服薬:オテズラ®(アプレミラスト)・シクロスポリン・チガソン®(エトレチナート)など
  • エキシマライトによる局所紫外線療法:308nmの高出力紫外線を病変部にピンポイントで照射する治療(週1回程度の通院が目安)

そして、生物学的製剤(注射・バイオ製剤)による治療は、千里中央花ふさ皮ふ科のみで導入・対応しています。江坂院・みのお院では生物学的製剤の自院治療は行っておらず、適応があると判断した場合は総合病院・大学病院への紹介、または千里中央院への案内を行います。

「まず相談だけしたい」「自分に生物学的製剤が必要かどうか聞きたい」という場合は、江坂院・みのお院での受診でも診察・相談が可能です。どの院で受診された場合でも、必要に応じて適切な医療機関・院への連携を行います。

⚠️ 生物学的製剤(注射)の自院治療は千里中央院で対応しています

乾癬の治療は保険診療で対応しています
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生物学的製剤を導入するまでの流れ

生物学的製剤の治療を始めるには、いくつかのステップがあります。焦らず一つひとつ確認しながら進めていきます。

  • ①受診・診察:現在の症状・治療歴・既往歴・使用中の薬などを詳しく確認します。生物学的製剤の適応(中等症〜重症・関節症状など)かどうかを医師が総合的に判断します
  • ②事前スクリーニング検査:血液検査(結核・B型肝炎・C型肝炎・血算・生化学など)、胸部X線などを実施します。感染症や臓器の状態を確認し、安全に治療を開始できるかを判断します
  • ③説明・同意(インフォームドコンセント):期待できる効果・考えられるリスク・投与スケジュール・費用(高額療養費制度の活用を含む)などについて十分な説明を受け、同意書にサインします
  • ④投与開始:多くの製剤は初回・2週後・4週後などの導入投与の後、4〜8週ごとの維持投与となります。製剤によって投与間隔・投与方法(皮下注射か点滴か)が異なります
  • ⑤定期通院・効果確認:定期的に診察・血液検査を行い、効果や副作用・感染兆候を確認しながら継続します

よくあるご質問(FAQ)

Q. 生物学的製剤はどのくらい効きますか?

多くの方で皮疹の面積・症状が大幅に改善するケースが報告されています。ただし、効果・経過には個人差があり、全員に同じように効くわけではありません。また、治療を中止すると症状が再燃しやすいため、継続的な管理が重要です。担当医と治療目標を共有しながら進めていきます。

Q. 費用はどのくらいかかりますか?

生物学的製剤は保険適用ですが、薬剤費が高額になるケースがあります。高額療養費制度を利用することで月々の自己負担額を一定の上限に抑えることができます。所得・年齢によって上限額が異なるため、治療開始前に担当医や窓口スタッフにご相談ください。

Q. 生物学的製剤はどこで受けられますか?

花ふさ皮ふ科グループでは、千里中央花ふさ皮ふ科のみが生物学的製剤(注射・バイオ製剤)の自院治療に対応しています。江坂院・みのお院では生物学的製剤の治療は行っておらず、適応と判断した場合は総合病院・大学病院への紹介、または千里中央院への案内を行います。まずはいずれの院でもご相談いただけます。

Q. 副作用や感染症リスクは心配ですか?

生物学的製剤は免疫の働きを調整するため、感染症リスクへの注意が必要です。治療前に結核・B型肝炎などのスクリーニング検査を行い、治療中も定期検査で安全を確認します。発熱・咳などの感染症状が出た場合は速やかに担当医に連絡することが大切です。

Q. 注射は自分で打てますか?

製剤によっては、医師の指導のもとで患者さんご自身が在宅で皮下注射(自己注射)できるものがあります。自己注射の可否や方法については、担当医からの十分な指導と練習を経てから行います。点滴投与の製剤は医療機関での投与となります。

Q. 乾癬性関節炎にも効きますか?

生物学的製剤の中には、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の関節症状にも効果が認められているものがあります。関節の痛み・腫れ・こわばりが出ている場合は、早めに皮膚科に相談することが大切です。放置すると関節破壊につながる可能性があるため、早期の評価と治療が重要です。

江坂駅前花ふさ皮ふ科にご相談ください

乾癬(かんせん)は慢性疾患ですが、適切な治療を続けることで症状をしっかりコントロールし、快適な日常生活を送ることを目指せます。外用薬・内服薬・紫外線療法で効果が不十分な場合や、関節症状が気になる場合は、生物学的製剤という選択肢があります。

「自分に生物学的製剤(注射・バイオ製剤)は必要なのか」「今の治療を続けてよいのか」など、少しでも疑問や不安を感じたら、まずは皮膚科専門医にご相談ください。花ふさ皮ふ科グループでは、江坂院・千里中央院・みのお院の各院で乾癬の保険診療を行っており、生物学的製剤が必要な場合は千里中央院、またはグループ連携先の総合病院・大学病院へおつなぎします。

乾癬は一人で抱え込まず、専門医とともに長く向き合っていく疾患です。どうぞ遠慮なくご来院ください。

⚠️ 生物学的製剤(注射)の自院治療は千里中央院で対応しています

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