監修者:花房 崇明

監修医師

理事長:花房 崇明(はなふさ たかあき)

[ 資 格 ]

・医学博士(大阪大学大学院) / 日本皮膚科学会皮膚科専門医

・日本アレルギー学会アレルギー専門医 / 日本抗加齢医学会専門医

[ 所属学会 ]

・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会 / 日本美容皮膚科学会 等

こんなお悩みはありませんか?

  • 外用薬だけでは症状がなかなか落ち着かない
  • 飲み薬を勧められたけど副作用が心配
  • オテズラとシクロスポリンは何が違うの?
  • チガソンは女性には使えないと聞いて不安

乾癬の飲み薬とは?外用薬で足りないときの次のステップ

乾癬(かんせん)は、免疫の異常によって皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が過剰に加速し、赤く盛り上がった発疹の上に銀白色のフケ状の角質がポロポロとはがれ落ちる慢性の皮膚疾患です。人にはうつりません。遺伝的素因にストレス・感染・肥満・喫煙・飲酒などの環境因子が重なって発症すると考えられており、良くなったり悪くなったりを繰り返す特徴があります。

乾癬の治療の基本はステロイド外用薬や活性型ビタミンD3外用薬ですが、皮疹の範囲が広い、外用だけでは症状が十分にコントロールできない、頭皮・爪など塗りにくい部位に病変があるといったケースでは、内服薬(飲み薬)が選択肢に加わります。

江坂駅前花ふさ皮ふ科を含む花ふさ皮ふ科グループ3院(江坂・千里中央・みのお)では、保険診療としてオテズラ(アプレミラスト)・シクロスポリン・チガソン(エトレチナート)の3種類の内服薬を処方しています。各薬には異なる作用機序・副作用・注意事項があり、患者さんの病型・合併症・ライフスタイルに合わせて医師が選択します。本記事では、それぞれの効果と副作用を詳しく解説します。

乾癬の治療は保険診療で対応しています
花ふさ皮ふ科グループ3院でご予約いただけます

一般皮膚科の保険診療予約システム(ドクターキューブ)です

オテズラ(アプレミラスト)|比較的モニタリング負担の少ない新しい飲み薬

オテズラ(一般名:アプレミラスト)は、PDE4(ホスホジエステラーゼ4)という酵素を阻害することで炎症に関わる物質の産生を抑える内服薬です。1日2回の内服で使用します。免疫抑制剤やビタミンA誘導体とは異なる作用機序をもち、血液検査の頻度など定期モニタリングの負担が比較的軽いのが特徴のひとつです。

オテズラの主な特徴

  • 中等症の尋常性乾癬や、生物学的製剤(注射)までは必要ない方に適応されることが多い
  • 1日2回内服。飲み始めは少量から徐々に増やす漸増投与(ぜんぞうとうよ)スケジュールをとる
  • 注射薬ではなく経口薬のため、自宅での管理がしやすい

オテズラの副作用・注意点

  • 飲み始めの消化器症状(下痢・吐き気・腹痛)や頭痛が起こりやすい。多くは数週間以内に軽減することがありますが、症状が強い場合は必ず医師にご相談ください
  • 体重減少が現れることがある
  • うつ症状など気分の変化が生じた場合は速やかに報告が必要
  • 効果の出方には個人差があり、改善まで数週〜数ヶ月かかる場合もある

ジェネリック医薬品・費用について

オテズラは保険適用の内服薬です。費用は患者さんの年齢・収入・保険区分によって異なります。後発医薬品(ジェネリック)については、処方時に担当医にご確認ください。なお、薬剤費の自己負担額については高額療養費制度の適用条件を個別に確認する必要があります。詳しくは受診時にお尋ねください。

当院の関連動画

あわせてご覧ください。

シクロスポリン|効果は高いが定期的な血液・血圧チェックが必要

シクロスポリンは免疫抑制剤のひとつで、乾癬に対して古くから使われてきた内服薬です。免疫反応を幅広く抑えることで皮疹の炎症を鎮め、比較的早期に効果が現れやすいとされています。ただし、作用が強い分、定期的な検査と管理が欠かせません。

シクロスポリンの主な特徴

  • 中等症〜重症の尋常性乾癬に用いられることがある
  • 比較的早く症状を抑えやすいが、長期連用には注意が必要
  • 他の免疫抑制剤・抗菌薬・降圧薬など多くの薬と相互作用を起こす可能性があり、他院処方や市販薬を含め必ず医師に申告が必要

シクロスポリンの副作用・モニタリング

  • 腎機能の低下:定期的な血液検査(クレアチニン値など)で腎機能を確認しながら使用する
  • 血圧上昇:定期的な血圧測定が必要。高血圧の方は特に注意
  • 感染症リスクの上昇
  • 多毛・歯肉肥厚・手のふるえなどが現れることがある
  • 長期・高用量での使用は避けることが原則で、医師の指示のもと適切な期間・用量で使用する

シクロスポリンを使用中は、グレープフルーツや一部のサプリメントが薬の血中濃度に影響することがあるため、飲食物についても医師・薬剤師にご確認ください。効果・経過には個人差があります。

チガソン(エトレチナート)|角化を抑えるレチノイド。女性への催奇形性に注意

チガソン(一般名:エトレチナート)はビタミンAの誘導体(レチノイド)であり、皮膚の角化(ターンオーバーの異常な亢進)を抑える作用を持ちます。尋常性乾癬のほか、膿疱性乾癬などに使われることがあります。

チガソンの主な特徴

  • 皮膚の角化を正常化することで鱗屑(りんせつ・フケ状の角質)の産生を抑える
  • エキシマライトなどの紫外線療法と組み合わせて効果を高める場合がある

⚠️ 催奇形性について(特に重要)

チガソンは催奇形性(さいきけいせい)が非常に強い薬です。胎児に重篤な形態異常を引き起こすリスクがあるため、妊娠中の方には使用できません。また、薬が体内の脂肪組織に長期間蓄積される性質があるため、添付文書上は内服終了後2年間は避妊が必要とされています。

  • 妊娠を希望している女性、または近い将来に妊娠の可能性がある女性には原則として処方されません
  • 内服中・中止後一定期間(2年間)は確実な避妊が必須
  • 授乳中の方も使用できません
  • 男性の場合も、内服中および中止後一定期間は献血をしないことが求められます(輸血を受けた方への影響を防ぐため)
  • 飲酒は薬の体内蓄積に影響する可能性があるため、医師の指示に従ってください

チガソンのその他の副作用・モニタリング

  • 唇・口の乾燥、皮膚の乾燥、目の乾燥
  • 肝機能の変化:定期的な血液検査で肝機能値を確認
  • 脂質(中性脂肪・コレステロール)の上昇:定期検査が必要
  • 頭痛・筋肉痛・関節痛が現れることがある
  • 長期使用では骨への影響(骨塩量など)に注意が必要な場合がある

チガソンは使用できる患者さんが限られる薬ですが、適切な管理のもとで使用することで、角化が強い乾癬に有効性が期待できる薬でもあります。必ず医師の説明を十分に受けた上で使用を判断してください。効果・経過には個人差があります。

どの飲み薬が自分に合う?医師と一緒に考える選び方

乾癬の内服薬は「どれが良い薬でどれが悪い薬」というものではなく、患者さんの状態に合わせて選ぶものです。以下のような観点から、担当医と相談しながら決定します。

薬剤名 主な対象・特徴 主な注意点
オテズラ(アプレミラスト) 中等症、比較的モニタリング負担が少ない、1日2回内服 飲み始めの消化器症状・頭痛、気分の変化
シクロスポリン 中等症〜重症、比較的早く効果が出やすい 腎機能・血圧の定期チェック、長期連用に注意、薬の相互作用
チガソン(エトレチナート) 角化が強い乾癬・膿疱性乾癬など 催奇形性強い・女性は内服中+2年間避妊必須、肝機能・脂質管理

たとえば、妊娠を希望している女性にはチガソンは選択されません。腎臓に持病がある方にはシクロスポリンが慎重となる場合があります。また、注射が苦手な方・生活の中で自己注射が難しい方には、まず内服薬からアプローチするケースもあります。病型(尋常性・膿疱性・関節症性など)、合併症(高血圧・腎疾患・肝疾患など)、妊娠・授乳の状況、仕事やライフスタイルなど、総合的に判断します。

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内服薬で不十分なときは生物学的製剤という選択肢も

オテズラ・シクロスポリン・チガソンなどの内服薬を使っても症状が十分にコントロールできない場合、あるいは関節症性乾癬(関節の痛み・腫れを伴う型)など中等症〜重症の方には、生物学的製剤(注射・点滴)という選択肢があります。生物学的製剤はIL-17・IL-23・TNFなどの炎症に関わるサイトカインを標的とした薬で、高い効果が期待されています。

ただし生物学的製剤は感染症リスクの管理のために定期的な検査が必要で、薬剤費も高額になるケースがあります(高額療養費制度の対象になりうるため、担当医にご確認ください)。

花ふさ皮ふ科グループでは、生物学的製剤は千里中央花ふさ皮ふ科にて対応しています。江坂院・みのお院では生物学的製剤の自院治療は行っておらず、必要と判断した場合は総合病院・大学病院、または千里中央院への紹介をご案内しています。

よくある質問(FAQ)

Q. オテズラはいつごろから効果が出てきますか?

効果の現れ方には個人差がありますが、一般的に数週間〜数ヶ月かけて徐々に改善することが多いとされています。飲み始めの1〜2週間は消化器症状(下痢・吐き気など)が出やすい時期でもあるため、体調の変化は必ず担当医に報告してください。

Q. 妊娠を希望していますが、飲める乾癬の薬はありますか?

チガソン(エトレチナート)は催奇形性が非常に強く、妊娠希望の女性には処方できません。また内服終了後も2年間の避妊が必要です。シクロスポリンやオテズラも妊娠・授乳中の使用については慎重な判断が必要です。妊娠を希望している、あるいは可能性がある場合は、必ず受診時に医師にお伝えください。外用薬や紫外線療法など、妊娠への配慮を考えた治療方針を一緒に検討します。

Q. シクロスポリンはどのくらいの期間飲み続けられますか?

シクロスポリンは腎機能・血圧への影響があるため、長期連用は原則として推奨されていません。具体的な使用期間は患者さんの状態・検査値によって異なりますので、定期的な血液検査と診察を受けながら担当医と相談してください。

Q. 乾癬の飲み薬は保険が使えますか?

オテズラ・シクロスポリン・チガソンはいずれも乾癬に対して保険適用があります(適応条件・用量等は各薬剤の添付文書・ガイドラインに準じます)。費用は保険区分・年齢・収入によって異なります。詳しくは受診時にご確認ください。

Q. 飲み薬と外用薬は一緒に使えますか?

はい、多くの場合、内服薬と外用薬(ステロイド・活性型ビタミンD3など)は組み合わせて使用します。また当グループではエキシマライトによる局所紫外線療法を内服薬と組み合わせるケースもあります。どの治療をどう組み合わせるかは、症状の状態や部位に応じて医師が判断します。

Q. 乾癬は飲み薬で完治しますか?

乾癬は慢性疾患であり、現在の医療では「完治」より症状を抑えてきれいな状態(寛解)を維持することを目標にしています。内服薬はその寛解を達成・維持するための重要な手段のひとつです。薬を続けながら症状をコントロールし、日常生活への影響を最小限にすることを目指します。効果・経過には個人差があります。

江坂駅前花ふさ皮ふ科にご相談ください

乾癬(かんせん)の飲み薬は、種類によって効果・副作用・使用できる方の条件が大きく異なります。「外用薬だけでは不十分」「内服を勧められたけれど不安」「どの薬が自分に向いているか知りたい」といったお気持ちはとても自然なことです。

江坂駅前花ふさ皮ふ科では、皮膚科専門医・理事長の花房崇明監修のもと、オテズラ・シクロスポリン・チガソンの保険診療による内服治療に対応しています。また、外用薬やエキシマライト(局所紫外線療法)との組み合わせも含め、一人ひとりの状態に合わせた治療方針をご提案します。乾癬でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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