イボについて
「イボ」とは、“皮膚から盛り上がっている小さなできもの”の俗称です。
一口にイボと言っても、実に様々な皮膚の病気が含まれており放置しておくと増えるイボもあります。
江坂駅前花ふさ皮ふ科では、皮膚科専門医がイボの種類を診断し、適切な治療方法をご提案致します。 イボにお悩みの方はお気軽にご来院ください。
イボの種類と治療方法
大きくわけてイボは、
ウイルスが原因のイボ
加齢や紫外線が原因のイボ
の2つに分類されます。
尋常性疣贅・じんじょうせいゆうぜい:
ウイルスが原因のイボ
最も代表的なウイルスはヒトパピローマウイルス(HPV)で、現在見つかっているだけでも220種類以上もの型があります。このウイルスが、目に見えないほどの小さな皮膚の傷から侵入し、数週間~数年間の潜伏期間を経て、目に見えるような大きさのイボに成長します。主にヒトからヒトへの直接的な接触により感染しますが、銭湯やプール、ジムなどの公共施設でウイルスに感染する可能性もあります。
HPVによるイボは、主に以下のような種類があります。
尋常性疣贅
- 特徴
数mm~1cm程度
表面がザラザラ、固い丘疹
肌色や褐色など
痛みなど自覚症状なし
- 原因
HPV(ヒトパピローマウイルス)2,27,57など
- できやすい部位
子どもに多い
キズができやすい手指や足
引っ掻くことの多い肘や脇
- 治療法
液体窒素による凍結療法
サリチル酸絆創膏
ヨクイニン内服
活性化ビタミンD外用(保険外)
- 注意点など
イボを触った手で、キズなどがある部位を触ると広がるので、触らない。
他の人への感染力は強くないので、プールやお風呂を控える必要はない。
ミルメシア
- 特徴
ドーム型のイボ
時に圧痛や赤みを伴う
- 原因
HPV1
- できやすい部位
掌や足の裏にできやすい
- 治療法
液体窒素による凍結療法
ヨクイニン内服
- 注意点など
扁平疣贅
- 特徴
数mm~1cm程度
扁平なイボ
肌色や淡紅色
- 原因
HPV3,10など
- できやすい部位
若い女性に多い
顔や手や背中にできやすい
- 治療法
液体窒素による凍結療法
ヨクイニン内服
- 注意点など
自然治癒することもある
尖圭コンジローマ
- 特徴
鶏冠状やカリフラワー状の丘疹
- 原因
HPV6,11など
- できやすい部位
外陰部や肛門周囲
- 治療法
液体窒素による凍結療法
イミキモドクリーム外用
- 注意点など
性感染症なので、性パートナーへの感染予防が必要。
今のところ、イボに対する特効薬は残念ながら存在しておりません。いずれ自然に治る場合もありますが、放置すると大きくなったり、数が増えたりするので、通常は液体窒素という−196℃の冷たい液体を含ませた綿棒や、スプレーで患部に吹きかけることででイボを凍らせて治していきます。
この液体窒素療法は、凍結により、ウイルスに感染した細胞を壊死させる直接的な効果と、ウイルスに対する体の免疫力を高めて、自身の免疫力でイボを治療する間接的な効果も期待できる、昔からある優れた治療法です。ただ、この治療法は痛みを伴うこと、1~3週間に1回の間隔で複数回繰り返す必要があります。(足の裏のイボは10回以上、1年くらいかかることもあります。)あきらめずに、根気強く通院し、治療していきましょう。
液体窒素による治療後、水ぶくれや血豆、血疱ができることがあったり、跡形(瘢痕:はんこん)になることがあります。大きな水疱ができた場合や、痛みがものすごく強い場合は、ばい菌が入って感染を起こした(二次感染といいます)可能性があるので早めに受診してください。
ダーモスコピーという、特殊な拡大鏡などで、しっかりイボが消えたことを確認しますが、ウイルスは基底細胞という皮膚の深い細胞に感染しているため、再発してくることもあります。再発があれば、すぐに再診して下さい。
脂漏性角化症(老人性イボ)・軟性線維腫(スキンタグ・アクロコルドン):
加齢や紫外線が原因のイボ
加齢や紫外線が原因でできるイボには、主に以下の2つがあります。
脂漏性角化症
- 特徴
数mm~数cm大
盛り上がって表面ザラザラ 褐色や黒色
- 原因
長年の紫外線
- できやすい部位
中年以降に多い
顔や手、腕など日光に当たる部分にできやすい
- 治療法
液体窒素
手術
炭酸ガスレーザー(保険外)
- 注意点など
皮膚癌と区別が難しい場合は、一部を切除し顕微鏡で細胞を観察する検査をすることもある。
軟性線維腫(スキンタッグ・アクロコルドン・中年イボ)
- 特徴
1~3mm程度
米粒状でやわらかい
褐色や肌色
- 原因
紫外線
加齢
摩擦
- できやすい部位
中年以降に多い
首、腋の下、鼠径部にできやすい
- 治療法
液体窒素
手術
炭酸ガスレーザー(保険外)
- 注意点など
皮膚癌と区別が難しい場合は、一部を切除し顕微鏡で細胞を観察する検査をすることもある。
紫外線を浴び続けることによりメラノサイトが活性化してシミの原因となるメラニンの生成が亢進し、老人性色素斑(日光黒子、シミ)ができますが、脂漏性角化症(老人性イボ)はこの老人性色素斑が進行し、表皮の角化細胞が増殖することで発症すると考えられています。若い時から日焼け対策をしっかりして、紫外線による肌のダメージをできるだけ防ぐことがイボの予防には大切です。
軟性線維腫(スキンタグ・アクロコルドン)は紫外線や摩擦などでできるイボです。一種の老化現象ですが、早い人では10代からでもできることがあり、首や脇の下などの擦れる部分にできることが多いです。
脂漏性角化症(老人性イボ)・軟性線維腫(スキンタグ・アクロコルドン)も液体窒素凍結療法で治療します。軟性線維腫(スキンタグ・アクロコルドン)は専用のハサミで切除することもあります。また脂漏性角化症は炭酸ガスレーザーで治療すると跡形が目立たずにきれいに取り切ることができますが、保険適応外(自由診療)になります。
料金
いぼ等冷凍凝固法:保険適応で約630-810円(3割負担の場合。そのほかに初診料や再診料、処方箋発行料がかかります。