監修者:花房 崇明

監修医師

理事長:花房 崇明(はなふさ たかあき)

[ 資 格 ]

・医学博士(大阪大学大学院) / 日本皮膚科学会皮膚科専門医

・日本アレルギー学会アレルギー専門医 / 日本抗加齢医学会専門医

[ 所属学会 ]

・日本皮膚科学会 / 日本アレルギー学会 / 日本美容皮膚科学会 等

こんなお悩みはありませんか?

  • フケのような皮むけ・赤い盛り上がりが繰り返す
  • 市販薬を使っても良くならない
  • どんな治療があるのか分からない
  • 生物学的製剤は自分に必要?費用は?

乾癬の治療で大切なこと——「完治」より「寛解維持」を目指す

乾癬(かんせん)は、免疫の異常によって皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が通常の10倍以上に加速し、赤く盛り上がった発疹の上に銀白色のフケ状の角質(鱗屑=りんせつ)が付着する慢性の皮膚疾患です。良くなったり悪くなったりを繰り返しますが、人にはうつりません。感染症ではないため、周囲を気にしすぎる必要はありません。

現在の医療では乾癬を「完治させる」治療法はまだ確立されていませんが、適切な治療を続けることで症状を抑え、きれいな状態(寛解)を長く維持することは十分可能です。治療のゴールは「症状のコントロール」と「生活の質(QOL)の改善」にあります。

治療の選択肢は大きく分けて①外用薬、②内服薬、③光線療法(エキシマライト)、④生物学的製剤の4つ。重症度や部位、生活スタイルに合わせて、医師と相談しながら最適な方法を選ぶことが大切です。

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重症度別の治療ステップ——どの治療から始めるか

乾癬の治療は、病変の広さや日常生活への影響(重症度)をもとに段階的に組み立てていきます。以下の表を参考にしてください。

重症度の目安 主な治療法 特徴・備考
軽症(病変が体の10%未満程度、日常生活への支障が少ない) 外用薬(ステロイド・活性型ビタミンD3・配合剤) まず外用薬が第一選択。塗り方の指導が重要
中等症(外用薬だけでは管理が難しい、頭皮・爪など塗りにくい部位がある) 内服薬(オテズラ®・シクロスポリン・チガソン®)またはエキシマライト(局所紫外線療法)、あるいは併用 各内服薬に固有の注意点あり。エキシマライトは局所照射で難治部位に有用
中等症〜重症(広範囲・関節症状・外用・内服で効果不十分) 生物学的製剤(IL-17/IL-23/TNF阻害薬など) 高い効果が期待できる。高額療養費制度の対象になりうる。当グループでは千里中央院が対応

※効果・経過には個人差があります。重症度の評価や治療の組み合わせは必ず医師が判断します。

各治療法の特徴と注意点

① 外用薬——軽症〜中等症の基本治療

外用薬は乾癬治療の出発点です。主に以下の3種類を使用します。

  • ステロイド外用薬:炎症を抑え、赤みやかゆみを軽減します。部位や重症度に応じて強さを使い分けます。
  • 活性型ビタミンD3外用薬:皮膚のターンオーバー亢進(異常な角化)を抑えます。ステロイドとは作用機序が異なるため、組み合わせると効果的です。
  • 配合剤(ステロイド+ビタミンD3):両方の成分を1本にまとめたもので、塗る手間が減り、アドヒアランス(治療継続率)の向上に役立ちます。

なお、外用のビタミンD3は標準治療として確立していますが、内服・サプリメントのビタミンDで乾癬が治るという確立したエビデンスはありません。自己判断で代替治療を行うことはお勧めしません。

② 内服薬——中等症に用いる3種類

外用薬だけでは管理が難しい中等症の方には、内服薬が選択肢に加わります。それぞれ特性と注意点が異なります。

  • オテズラ®(アプレミラスト/PDE4阻害薬):1日2回の内服薬。比較的モニタリングの負担が少なく、生物学的製剤に移行する前の選択肢としても使われます。飲み始めの1〜2週間は下痢・吐き気・頭痛が起こりやすいため、用量を少しずつ増やす「漸増投与」が基本です。
  • シクロスポリン(免疫抑制剤):炎症を強力に抑える免疫抑制剤です。効果は高いものの、腎機能や血圧への影響があるため定期的な検査(モニタリング)が必要で、長期連用には注意が必要です。
  • チガソン®(エトレチナート/レチノイド):皮膚の角化を正常化するビタミンA誘導体です。催奇形性(胎児への影響)が強く、女性は内服中および中止後2年間は確実な避妊が必要です(添付文書に基づく重要な安全性情報)。唇の乾燥・肝機能異常・脂質異常などの副作用管理も必要です。

③ エキシマライト(局所紫外線療法)——週1回の通院で病変部にピンポイント照射

エキシマライトは308nmの紫外線を病変部にピンポイントで照射する「ターゲット型」の光線療法です。全身に広がる病変ではなく、外用薬で取り切れない部分、頭皮、ひじやひざなどの難治部位に特に有用です。

  • 通院の目安は週1回程度
  • 日焼け様の赤みが出ることがあります
  • 当グループ3院(江坂・千里中央・みのお)すべてで実施しています
  • 全身型の紫外線照射キャビン(ナローバンドUVB全身照射)は当グループでは行っていません

④ 生物学的製剤——中等症〜重症・関節症状に

生物学的製剤は、乾癬の炎症に関わるサイトカイン(IL-17・IL-23・TNFなど)を標的とした注射薬または点滴薬です。中等症〜重症の方や、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)で関節の痛み・腫れを伴う方に高い効果が期待できます。

  • 感染症リスクの管理のため、投与前後に定期的な検査が必要です
  • 薬剤費が高額になりますが、高額療養費制度の対象になりうるため、自己負担額の上限が設けられます
  • 当グループでは千里中央花ふさ皮ふ科のみで生物学的製剤の治療を行っています。江坂院・みのお院では自院での投与は行っておらず、必要な場合は総合病院・大学病院へ紹介します

乾癬の治療は保険診療で対応しています
花ふさ皮ふ科グループ3院でご予約いただけます

一般皮膚科の保険診療予約システム(ドクターキューブ)です

花ふさ皮ふ科グループで行っている治療一覧

当グループ(江坂・千里中央・みのお)の3院で実施している乾癬治療をまとめました。

治療の種類 江坂院 千里中央院 みのお院
外用薬(ステロイド・ビタミンD3・配合剤)
内服薬(オテズラ®・シクロスポリン・チガソン®)
エキシマライト(局所紫外線療法・308nm)
生物学的製剤(注射・点滴) ×(要紹介) ×(要紹介)
全身型紫外線療法キャビン(ナローバンドUVB) × × ×

※保険診療です。効果・経過には個人差があります。

治療を長く続けるために——生活習慣とスキンケアのポイント

乾癬は慢性疾患であるため、薬の治療と並行して生活習慣を整えることが症状の安定につながります。

  • 禁煙:喫煙は乾癬の発症・悪化リスクと関連していることが知られています。禁煙はもっとも重要な生活改善の一つです。
  • 適正体重の維持(減量):肥満は乾癬を悪化させる要因になります。また、乾癬は全身性の炎症性疾患であり、心血管疾患・メタボリックシンドローム・脂質異常症などの合併に注意が必要です。体重管理は皮膚だけでなく全身の健康管理にもつながります。
  • 飲酒を控える:過度な飲酒は乾癬を悪化させます。
  • ストレス管理:ストレスが乾癬の増悪因子になることがあります。睡眠をしっかりとることも大切です。
  • スキンケア・保湿:乾燥は乾癬の悪化につながります。入浴後などにこまめに保湿剤を使い、皮膚をやさしく保護しましょう。強くこする刺激(ケブネル現象:刺激が加わった部位に新しい病変ができる反応)を避けてください。
  • 感染症の予防:風邪・扁桃炎・虫歯などが乾癬を誘発・悪化させることがあります。うがい・手洗い・歯科への定期受診を心がけましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 乾癬は治療で治りますか?

現時点で乾癬を「完治」させる治療法は確立されていません。ただし、適切な治療を継続することで症状をしっかり抑え、きれいな状態(寛解)を長く維持することは可能です。乾癬の治し方の目標は「完治」より「症状のコントロール」と「QOLの改善」にあります。効果・経過には個人差があります。

Q. 乾癬の治療はどの薬から始めますか?

まずは外用薬(ステロイド・活性型ビタミンD3・配合剤)から始めるのが標準的です。外用薬で管理が難しい場合は、内服薬(オテズラ®・シクロスポリン・チガソン®)やエキシマライト(局所紫外線療法)を組み合わせます。中等症〜重症または関節症状がある場合は生物学的製剤が検討されます。重症度の評価と治療法の選択は医師が行います。

Q. 乾癬の治療薬はずっと飲み続けないといけませんか?

乾癬は慢性疾患のため、症状が落ち着いていても治療を中断すると再燃することがあります。治療の継続・減薬・中止のタイミングは、症状の状態を見ながら医師と相談して決めることが大切です。自己判断で薬をやめないようにしてください。

Q. 生物学的製剤はどのクリニックで受けられますか?

当グループでは千里中央花ふさ皮ふ科のみで生物学的製剤の治療に対応しています。江坂院・みのお院で診察を受け、生物学的製剤が必要と判断された場合は、総合病院・大学病院もしくは千里中央院への紹介となります。

Q. 乾癬の治療は保険が使えますか?費用はどのくらいですか?

外用薬・内服薬・エキシマライト(局所紫外線療法)・生物学的製剤はいずれも保険診療の対象です。生物学的製剤は薬剤費が高額になりますが、高額療養費制度により自己負担額に上限が設けられます。詳しくは受診時にお気軽にご確認ください。

Q. 乾癬は人にうつりますか?

うつりません。乾癬は感染症ではなく、免疫の異常と遺伝的素因が関係する慢性皮膚疾患です。皮膚に触れても、一緒に入浴しても感染することはありません。

江坂駅前花ふさ皮ふ科にご相談ください

乾癬(かんせん)の治療薬・治し方は、外用薬から生物学的製剤まで幅広い選択肢があります。「どの治療が自分に合っているか分からない」「市販薬では良くならない」「症状が繰り返す」といったお悩みは、ぜひ皮膚科専門医にご相談ください。当グループでは江坂・千里中央・みのおの3院で保険診療による乾癬治療を行っています。生活スタイルや重症度に合わせて、一緒に治療の方針を考えます。

乾癬は慢性疾患ですが、適切な治療を続けることで症状をコントロールし、快適な日常生活を取り戻すことを目指せます。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご受診ください。

乾癬の治療は保険診療で対応しています
花ふさ皮ふ科グループ3院でご予約いただけます

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