粉瘤(アテローム)の治療をインターネットで調べると「くり抜き法」と「切除縫合術(切開法)」という2つの手術法が出てきます。「傷跡はどちらが小さい?」「再発しにくいのはどっち?」と迷われる方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、くり抜き法は傷跡が目立ちにくく、切除縫合術は袋の取り残しが少なく再発リスクが低い傾向があります。どちらが優れているというわけではなく、粉瘤のサイズ・部位・炎症歴などによって最適な術式が異なります。江坂駅前花ふさ皮ふ科では両術式に対応し、皮膚科専門医・形成外科専門医の監修のもとで症状に応じた使い分けを行っています。

この記事では、2つの術式の特徴・違い・選び方を詳しく解説します。

こんなお悩みはありませんか?

  • 顔の粉瘤を取りたいけど傷跡が残らないか心配
  • くり抜き法と切開法、どちらを選べばいいかわからない
  • 一度取った粉瘤がまた再発してしまった
  • 放置していたら大きくなってきた・痛みが出てきた

粉瘤(アテローム)とは?まず基本を確認

粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の良性腫瘍の一種です。表皮の成分(角質)が皮膚の下に袋状に閉じ込められ、中に垢や皮脂が蓄積して徐々に大きくなります。正式な医学用語では「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」とも呼ばれ、「アテローム」「アテローマ」という名称も広く使われています。

粉瘤の最大の特徴は、自然には治らないという点です。袋そのものを取り除かない限り、内容物が再びたまって再発します。また、細菌感染を起こすと赤く腫れて痛みを伴う「炎症性粉瘤」になることがあり、その段階になると治療の流れが変わります。

粉瘤の治療は保険診療(健康保険適用)で日帰り手術が標準的です。自費(自由診療)ではありませんので、3割負担で受けられます。

なお、しこりが気になるとき、ご自身で潰そうとするのは危険です。深部に細菌が広がったり、傷跡が悪化したりするリスクがありますので、必ず皮膚科・形成外科を受診してください。

くり抜き法(パンチ生検式)とは?特徴と適応を解説

くり抜き法(くりぬき法)は、「パンチ生検式」「トレパン法」とも呼ばれる比較的新しい粉瘤の手術法です。

手術の流れ

  • 粉瘤の中心部(黒い点状の開口部)に、直径数mm〜1cm程度の円形メスを当てて小さな穴を開ける
  • その穴から内容物(垢や皮脂)を絞り出し、袋を引き出して摘出する
  • 傷口を縫合せず、開放したまま自然に治癒させる(開放創治癒)

くり抜き法の傷跡

縫合しないため、治癒後に残る傷跡は小さな丸い点状になります。線状の傷跡が残る切除縫合術と比べて、傷跡が目立ちにくいことが特徴です。特に顔や露出部位(首・腕・脚など)の粉瘤に対して、審美的なメリットが大きい術式です。

くり抜き法が向いているケース

  • 比較的小さな粉瘤(目安:直径2cm程度まで)
  • 顔・首など傷跡が気になる露出部位
  • 炎症の既往がなく、袋の形が比較的きれいな場合
  • 初回の粉瘤(再発例でない場合)

くり抜き法の注意点

穴が小さいため、袋の一部が取り残されるリスクが切除縫合術よりやや高くなる可能性があります。再発率は術者の経験や粉瘤のサイズ・状態によって異なります。大きな粉瘤や過去に炎症を繰り返した粉瘤では、くり抜き法では対応が難しい場合があります。

くり抜き法の詳しい解説は、こちらのコラム「くり抜き法の真実5選」もあわせてご覧ください。

切除縫合術(切開法)とは?特徴と適応を解説

切除縫合術は、粉瘤の治療法として長年実績のある標準的な手術法です。

手術の流れ

  • 粉瘤を含む皮膚を楕円形に切開する
  • 袋ごと(内容物を漏らさないよう)完全に摘出する
  • 皮膚を縫い合わせて閉創する
  • 1〜2週間後に抜糸を行う

切除縫合術の傷跡

縫合するため、治癒後に線状の傷跡が残ります。傷の長さは粉瘤のサイズにもよりますが、粉瘤の径の2〜3倍程度になることが一般的です。くり抜き法と比べると傷跡は目立ちやすいものの、顔の場合は形成外科専門医が最小限の切開で丁寧に縫合することで、傷跡を可能な限り目立たなくする工夫が行われます。

切除縫合術が向いているケース

  • 大きな粉瘤(目安:直径2cm以上)
  • 過去に炎症を起こしたことがある粉瘤(袋が周囲と癒着していることが多い)
  • 再発した粉瘤(袋の取り残しが疑われる場合)
  • 形が複雑、または袋の壁が厚い場合
  • 背中・臀部など皮膚が厚い部位の大型粉瘤

切除縫合術の注意点

切開範囲がくり抜き法より広くなるため、術後の腫れや内出血がやや強く出ることがあります。抜糸まで約1〜2週間、患部を清潔に保ちながら経過を観察する必要があります。ケロイド体質の方は事前にお申し出ください。

くり抜き法 vs 切除縫合術|比較一覧表

比較項目 くり抜き法 切除縫合術(切開法)
傷跡の形 小さな丸い点状(目立ちにくい) 線状(縫合跡が残る)
再発リスク やや高め(袋の取り残しが生じる場合あり) 比較的低い(袋を完全摘出しやすい)
手術時間(目安) 短め(数分〜15分程度) やや長め(15〜30分程度)
縫合・抜糸 縫合なし(抜糸不要) 縫合あり(1〜2週間後に抜糸)
術後通院 創部の状態確認(数回) 抜糸のため来院必要
主な適応 小〜中等度・露出部・顔 大型・再発例・炎症歴あり・複雑形状
保険適用 適用(3割負担) 適用(3割負担)

※ 手術時間はあくまで目安です。粉瘤のサイズや部位、癒着の程度によって異なります。効果・経過には個人差があります。

当院(江坂駅前花ふさ皮ふ科)の使い分け方針

江坂駅前花ふさ皮ふ科では、皮膚科専門医と形成外科専門医のダブル監修のもと、患者さんの粉瘤の状態・部位・ご希望に応じて術式を使い分けています。「どちらが絶対よい」ということはなく、一人ひとりに合った方法を選ぶことが大切だと考えています。

顔・露出部位の粉瘤

顔の粉瘤は傷跡が気になる部位です。当院では形成外科専門医が縫合を担当し、傷跡を最小限に抑えることを意識した治療を行います。小〜中等度の粉瘤にはくり抜き法を、大きい場合や炎症歴がある場合は切除縫合術を選択します。

体幹・四肢の粉瘤

背中・お腹・腕・脚などの粉瘤は皮膚科専門医が対応します。サイズが小さければくり抜き法、大型・再発例には切除縫合術を用います。

炎症性粉瘤(赤く腫れている状態)の場合

炎症を起こして赤く腫れている状態では、まず抗生剤の内服や切開排膿(膿を出す処置)で炎症を落ち着かせてから、根治手術(くり抜き法または切除縫合術)を行います。炎症中に無理に根治手術をすると、感染が広がったり傷の治りが悪くなったりするリスクがあるためです。

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保険診療の料金目安(3割負担・税込)

粉瘤の手術は健康保険が適用されます。以下は3割負担の場合の目安金額です。実際の費用は受診時にご確認ください。

部位区分 直径2cm未満 直径2cm以上4cm未満 直径4cm以上
露出部(顔・首・肘から先・膝から下) 約5,000〜6,000円 約11,000〜12,000円 約13,000〜14,000円
非露出部(体幹・上腕・大腿など、3cm未満) 約3,840〜5,000円 約7,000〜10,000円 サイズによる
非露出部・最大目安(12cm以上) 約25,000円
  • 公的医療保険適用。自己負担割合(1割・2割・3割)により金額が変動します。
  • 上記は手術料の目安です。初診・再診料、および摘出した組織の病理検査費用は別途かかります。
  • 実際の費用は受診時に必ずご確認ください。
  • 効果には個人差があります。
  • 主な副作用:出血・血腫・感染・瘢痕(傷跡)・再発(袋の取り残し)・麻酔アレルギーなど。ケロイド体質の方は事前にお申し出ください。

術後の経過と副作用について

どちらの術式でも、術後は以下のような経過をたどることがあります。個人差がありますので、気になる症状があればお気軽にご相談ください。

  • 出血・血腫:術後数日間は少量の出血が見られることがあります。
  • 腫れ・痛み:術後しばらくは腫れや鈍い痛みが残ることがあります。
  • 感染:まれに術後に感染が起こることがあります。患部を清潔に保つことが大切です。
  • 瘢痕(傷跡):どちらの術式でも傷跡は残ります。ケロイド体質の方は傷跡が目立ちやすくなる場合があります。
  • 再発:袋が取り残された場合、再発することがあります。くり抜き法ではやや再発リスクが高くなる可能性があります。
  • 局所麻酔アレルギー:まれに局所麻酔薬へのアレルギー反応が起こることがあります。アレルギー歴がある方は事前にお申し出ください。

よくある質問(FAQ)

Q. くり抜き法と切除縫合術、どちらを選べばいいですか?

粉瘤のサイズ・部位・炎症の有無・再発歴などによって最適な術式が異なります。小さく炎症のない粉瘤、特に顔や露出部位にはくり抜き法が適している場合が多く、大きい粉瘤・炎症を繰り返した粉瘤・再発した粉瘤には切除縫合術が向いていることが一般的です。診察でご相談の上、医師と一緒に決めていただきます。

Q. くり抜き法の途中で切除縫合術に切り替えることはありますか?

はい、あります。手術中に袋の取り出しが難しいと判断された場合や、周囲への癒着が強い場合は、安全のために切除縫合術に切り替えることがあります。事前の診察でできる限り適切な術式を選択しますが、状況によって変更になる場合があることをご了承ください。

Q. 顔の粉瘤でも保険が使えますか?

はい、顔の粉瘤手術も健康保険が適用されます。当院では顔の縫合を形成外科専門医が担当し、傷跡への配慮を行っています。

Q. 炎症して赤く腫れているときすぐに手術できますか?

炎症が強い時期(赤み・腫れ・痛みが強い状態)は、まず抗生剤の内服や切開排膿で炎症を落ち着かせる必要があります。炎症中に根治手術をすると感染が広がるリスクがあるためです。炎症が治まった後に、改めて根治手術(くり抜き法または切除縫合術)を行います。急ぎの場合は切開排膿のみ先行することも可能ですので、まずご来院ください。

Q. 手術後、どのくらいで日常生活に戻れますか?

くり抜き法は縫合がないため比較的早く日常生活に戻れますが、患部を清潔に保ち、激しい運動や入浴(湯船)は医師の指示に従ってください。切除縫合術は抜糸(術後1〜2週間)まで患部への負担を避けていただきます。回復のペースには個人差があります。

Q. 一度取ったのにまた粉瘤ができたのはなぜですか?

粉瘤の再発は、袋の一部が取り残されることで起こります。また、別の場所に新たな粉瘤が生じる場合もあります。再発した粉瘤は袋が周囲に癒着していることが多く、切除縫合術での根治手術が適している場合がほとんどです。再発にお悩みの方もお気軽にご相談ください。

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「しこりが気になるけど手術が怖い」「顔の粉瘤で傷跡が心配」「一度再発しているので確実に取りたい」など、粉瘤に関するお悩みはさまざまだと思います。

江坂駅前花ふさ皮ふ科は大阪メトロ御堂筋線「江坂駅」からすぐの場所にあり、皮膚科専門医・形成外科専門医のダブル監修のもと、くり抜き法・切除縫合術の両方に対応しています。花ふさ皮ふ科グループは千里中央院・みのお院でも同等の体制で粉瘤治療を行っています。

粉瘤は放置すると大きくなったり炎症を起こしたりすることがあります。気になる症状がある方は、まず診察を受けてみてください。また、当院の粉瘤手術ページでも詳しい情報をご確認いただけます。

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